高齢者の健康と安全な暮らしを守る“住環境セラピー”とは?

 

人生100年時代と言われる現代において、多くの人が「健康寿命」を延ばし、住み慣れた家で長く快適に暮らしたいと願っています。

 

しかし、加齢とともに身体機能が変化することで、これまで当たり前だった自宅が、思わぬ危険をはらむ場所になってしまうことがあります(>_<)

 

転倒による骨折、ヒートショック、活動量の低下…これらはすべて、住環境が影響している可能性があります(+_+)

 

そこで注目されているのが、「高齢者の健康と安全な暮らしを守る“住環境セラピー”」という考え方です☝

 

これは、単にバリアフリー化するだけでなく、高齢者の方々が心身ともに豊かに、そして安心な暮らしを送れるよう、住まい全体を「癒やしと機能性」の視点から改善していくアプローチを指します☝

 

 

 

 

1.住環境が高齢者の健康寿命に与える影響

住環境は、高齢者の健康寿命に想像以上に大きな影響を与えます(>_<)

 

〇転倒リスクの増加: 屋内の段差、滑りやすい床、不適切な手すりなどは、転倒事故の主要な原因となります。

骨折はそのまま寝たきりに繋がることも少なくありません。

 

〇身体活動量の低下: 動きにくい間取りや、外出がおっくうになるような環境は、自然と身体活動量を減らし、

筋力低下やフレイル(虚弱)を招きます。

 

〇ヒートショック: 浴室と脱衣所、トイレと廊下など、室温の大きな差は血圧の急激な変動を引き起こし、

心臓発作や脳卒中のリスクを高めます。

 

〇精神的健康への影響: 孤立しがちな環境や、使いにくい住まいは、ストレスや認知機能の低下を招くこともあります。

 

〇質の低い睡眠: 明るすぎる照明、騒音、不快な室温なども、質の良い睡眠を妨げ、回復力を低下させます。

これらの問題は、病気として表面化する前に、住環境改善によって未然に防ぐことが可能です。

 

 

 

 

 

2.“住環境セラピー”が目指すもの

 

“住環境セラピー”は、以下の3つの柱で高齢者の安心な暮らしをサポートします。

 

〇安全性の確保:転倒・事故リスクの徹底排除最も重要視されるのが、日々の暮らしの中での事故リスクの低減です。

〇段差の解消: 室内外のわずかな段差も徹底的に解消します。スロープ設置や床の改修などが含まれます。

 

〇手すりの設置: 玄関、廊下、階段、浴室、トイレなど、動作の不安定な場所には適切な位置・高さで手すりを設置します。

 

〇滑りにくい床材: 水回りや玄関など、滑りやすい場所には滑りにくい素材の床材を選び、転倒を予防します。

 

〇適切な照明: 足元や階段など、視認性が重要な場所には十分な明るさの照明を設置し、まぶしすぎない配慮もします。

 

〇家具の配置見直し: 動線を妨げる家具や、転倒の危険があるものを撤去・再配置します。

 

 

 

 

3. 活動性の促進:身体と心の健康を育むデザイン

 

安全だけでなく、高齢者が自立して活動的になることを促す環境づくりも重要です。

 

〇移動しやすい動線: 居住空間全体の移動がスムーズになるよう、無理のない動線を確保します。

 

〇使いやすい設備: 低い位置の収納、操作しやすいスイッチ、高さ調節可能なキッチンや洗面台など、身体機能の変化に対応した設備を導入します。

 

〇趣味や交流のスペース: 趣味の道具を置ける場所や、来客との交流がしやすいリビングなど、社会参加や生きがいを支えるスペースを考慮します。

 

〇自然光と風の取り入れ: 適切な採光と通風は、心身の健康に良い影響を与え、活動意欲を高めます。

 

 

 

4. 快適性と心理的安心感:心豊かな暮らしを支える空間

 

物理的な安全性だけでなく、心理的な快適さや安心感も、高齢者のクオリティ・オブ・ライフには不可欠です。

 

〇温度差の少ない快適な室温: 全室の断熱性を高め、ヒートショックを予防し、一年中快適な室温を保ちます。

 

〇プライバシーの確保: 個人のプライバシーが守られつつも、家族や介護者とのコミュニケーションが取りやすいバランスを考慮します。

 

〇思い出や愛着のある家具・品の活用: 長年親しんだ家具や思い出の品を活かし、安心感や居心地の良さを高めます。

 

〇セキュリティの強化: 不安を軽減するための防犯対策(鍵、インターホンなど)も重要です。

 

 

 

5.住環境セラピーの専門家との連携

 

これらの住環境改善は、介護リフォームの専門家や、建築士、理学療法士、作業療法士などの専門知識を持つ人々と連携して進めることが理想です!

 

彼らは、個々の身体状況や生活スタイルに合わせた最適なプランを提案し、補助金制度の活用などもアドバイスしてくれます☝

 

 

 

 

 

まとめ

 

高齢者の健康寿命を延ばし、安心な暮らしを続けるためには、病気の治療だけでなく、日々の生活の基盤となる住環境への意識が不可欠です☝

 

“住環境セラピー”は、高齢者が自らの家で、より長く、より豊かに、そして安全に暮らすための具体的なアプローチです。

 

ご自身やご家族のこれからの生活を見据え、今一度、住まいの環境を見直してみてはいかがでしょうか?(^^)