子どもの人生は「腸」で決まる 3歳までにやっておきたい最強の免疫力の育て方
という本を紹介したいと思います。
ジャック・ギルバート (著), ロブ・ナイト (著), サンドラ・ブレイクスリー (著),
鍛原 多惠子 (翻訳)
「はじめに」の所を抜粋しています。
はじめにー子どもは土を食べて良い
「子どもが土を食べても大丈夫でしょうか?」
これは、世界中の親が毎日のように私たちに浴びせるたくさんの質問の1つだ。みな子どもの健康が心配で、ネット上の情報に混乱してもいる。
でも、なぜ私たちに聞くのだろう?
マイクロバイオームって何?
私たち2人が、ヒトのマイクロバイオームの専門家だからだ。
マイクロバイオーム?
「ばい菌」のこと?
そんな誤解もしょっちゅうだが、 マイクロバイオームは人体に棲みついた有益な微生物種と、状況によってはあまり歓迎できない結果をもたらす一部の微生物種の集合体(微生物群集)である。
この目に見えない小さな生き物たちは、食べ物を消化し、ビタミンをつくり、病気を治し、諸器官を形づくり、免疫系を調整する。
いろいろな面で私たちを支え、私たちの行動にまで影響をおよぼしている。
細菌は病気の元だから何が何でも退治しなくてはいけない。
そう思う人は多い。 でもそれは間違っている。危険な間違いだ。
微生物にかんする最新の考え方によれば、人体の内外にいる細菌の大半は有益だし、私たちの生存に欠かすことができない。
細菌を退治してしまえば、そのつけは私たちに回ってくる。
古くから恐れられてきた病気をすべて根絶したいと願うあまり、私たちは現代病というパンドラの箱を開けてしまった。
現代病はゆっくりと進行する辛い慢性病で、いまや世界中で流行している。
肥満、喘息、アレルギー、 糖尿病、 セリアック病、過敏性腸症候群、 多発性硬化症、関節リウマチなどたくさんある。
近年のマイクロバイオーム研究は目覚ましい発見をもたらし、ここ数年でバイオメディカル研究の地味な分野から人目を引く分野になった。いまや新聞や雑誌、TEDトーク(私 たちも講演した)、ドキュメンタリー、テレビやラジオのトークショー、 ポッドキャストなどは、この話題でもちきりだ。
もちろん、ネット上も例外ではない。ネット空間は膨大な量 の広告や誤った情報にあふれ、子を思う親たちの混乱と心配に拍車をかけている。
親はみんな不安に思っている
私たちはこの分野の専門家なので、さまざまな場面でいろいろ助言を求められる。
たとえば、ロブが飼い犬と健康なマイクロバイオームにかんする講演を終えたとき、聴衆の中にいたあるエンジニアが歩み寄ってきた。 ちょっと不安げな面持ちでこう聞く。
「うちの息子は近所の遊び場が好きで、とくに砂場とジャングルジムがお気に入りです。 毎日、 そこへ行きたがります。 でも、私にはその遊び場は不衛生に思えるのです。ガムの包み紙 や犬の糞が落ちていて、いたるところにハトがいます。 息子が病気になったりすることは ないでしょうか?」
ロブがタクシーに乗ったときのこと、お互いの仕事について少し会話を交わしたあと、 頭が薄くなりかけたそのタクシー運転手が後ろを振り返ってさも困っているかのような顔 をした。
「そうだ、あなたなら息子を助けられるかもしれない。 息子は糖尿病を患っていましてね。まだ3歳なのにとても太っています。 妻も私もどうすれば良いかわかりません」 ロブの職場の清掃員が浮かない表情を顔に浮かべ、ホールを歩いていた私たちを呼び止 めたこともある。「私たちはあらゆる物に抗菌剤を使うようにと指示されていますが、 それで良いんでしょうか? 私は2つの小学校で仕事をしていて、家にも5歳の子がいます」
私たちがマイクロバイオームの専門家だと知らなくても、同じような質問をされることもある。
アメリカの自然食品系スーパーチェーンのホールフーズ・マーケットにある天然 サプリメントのコーナーで、プロバイオティクス(有用菌のを見回していた女性がだれ にともなく尋ねた。
「どれが本当に効くかご存じの方いらっしゃいませんか? 娘の下痢が ちっとも良くなりません。 もう、どうしたら良いんだか!」
よくわかる。私たちにも子どもがいるから、幾度となく身の縮まるような思いをしてきている。
子どもの具合が悪いのに、どうしたら良いか見当もつかないこともあった。それは、出産から始まった。私たちはどちらも、最初の子の出産でたいへんな体験をしたのだ 私たちは少なくとも当時はそう思っていた)。
ジャックの息子ディランは、胎便にまみれて生まれてきた。
胎便とは新生児が排泄する 黒っぽい緑色の便である。
ディランは産道で排便したのでただちに抗生物質を投与され、様子を見るために病院に1泊させられた。
胎便を吸引していた場合に備えての処置だった。 吸引していれば、まっさらな肺が重い感染症を起こすからだった。ディランは6か月になるまで繰り返し下痢に苦しみ、のちに酵母感染によって何度か全身に炎症を起こした。 赤い発疹に白い斑点が浮き上がった。
感染症にかかったときは、吠えるというか咳をす というかそんな泣き方をした。 6歳で高機能自閉症と診断された。
現在この病気は、 マイクロバイオームとの関連性が指摘されるようになっている。
ロブの娘は陣痛が長引いて仮死状態に陥り、心配した両親は不本意ながらも帝王切開に 同意した。 それでも、2人は自然分娩 経膣分娩の利点を完全にあきらめたわけではな かった。
ロブの研究で、自然分娩が新生児に有益であるという強力な証拠が得られていたからだ。
娘の誕生から1時間後、病院のスタッフが2人だけにしてくれて、ロブが綿棒を 何本か取り出した。
ロブは綿棒でパートナーのアマンダの膣分泌液を採取し、生まれたばかりの娘の口、鼻、耳、皮膚、会陰部に塗った。
帝王切開による分娩では得られない 母親のマイクロバイオームとの出会いの機会を与えたのだった。
ロブがこの方法をんだのは、生まれたばかりの娘にとって何が良いかについての知識が
あったからだった。というより、彼自身がこの証拠の発見に関与していたのだった。
最新科学にもとづくアドバイス
本書の目的は、マイクロバイオームと子どもの健康および発達に関する最新の科学的な助言をすることにある。
どのような食べ物が、乳幼児に良い あるいは悪い影響を与えるのか? 子どもの健康と発達を守るために何 ができるか?
何が悪いのか? わが子が丈夫に育っているか、そうでないかをどうすれば知ることができるのか?
誤った情報はどれで、信頼できるのはだれなのか?
私たちは医師ではないので医学的な助言はできない。
しかし、世界の医師や医療関係者に信頼されている研究の裏づけとなった大量のデータをともに提供してきた科学者として、
みなさんの質問に対して証拠に裏づけられた答えを示すとともに、
微生物と健康についてどう考えるべきかを提案することならできると思う。
質問には可能な限り、ヒトを対象に行われた試験で得られた情報にもとづいて答えたい。
しかし、ヒトを対象とした完璧な実験をすることは不可能であるか倫理にもとる場合が多い。
そのような場合には、異なる 集団間の差異を見る研究と実験や試験実験組み合わせることになる。
ヒトにかんする観察(たとえば、去った人と痩せた人のマイクロバイオームが異なるという観察) は、より詳細な実験( 痩せた人の特定の微生物を与えられたマウスは痩せる)につながる場合が多い。
一般にこの実験から床への移行によって、ヒトを対象にした研究のみした と比べて、生物学的メカニズムにかんしてはるかに多くのことができる。
それでも、移行はいつも完璧であるわけではなく、ヒトを対象とするからか につれてられる結果はヒトに当てはまらなくなることを忘れないことが大切だ。
本書ではまず微生物とヒト・マイクロバイオームにかんして手短に説明したあと、子どもの発達を胎児期、誕生、乳児期、幼児期、未就学児童期へとたどっていく。
発達期ごとの疾患、診断、治療介入にとくに注目する。
各章では、いちばんよく尋ねられる質問に答えていこうと思う。
答えが、すぐに次の質問とその答えにつながる場合も多いだろう。
本書は、できる限り同じ部屋で話していると感じられるように書いたつもりだ。
好むと好まざるとにかかわらず、マイクロバイオームは子どもがいる親が持つたくさんの心配事の1つになってしまったようだ。
以上、
はじめに
からの抜粋でした。
この本では
アレルギーや病気を防ぐために子どもにやってあげられることは何か?
を、妊娠・出産から子どもの離乳食、
食事、薬、病気、環境、暮らし、
予防接種、検査まで・・・
最新科学をもとに100の質問に、Q&A方式で答えるという構成になっています。
この本を読んで
あなたの体は9割が細菌
という本を思い出しました。
著者
アランナ・コリン
矢野真千子(訳)
出版日:2016年08月10日
2016年のころにはまだ、このような考えは受け入れられなかったような気がします。
ネット社会で、家の中ばかりで生活すしているので、無菌生活の人が増えた半面、
色んな情報に触れることができるので、逆に菌は共存するべきだとばかりに、泥まみれで暮らす方も増えました。
面白いですね。
二極化の時代と言われますが、考え方も真っ二つに分かれて、個人的には楽しいと思っています。
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菌と共存する派の方に朗報です(笑)
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